「坂東三津五郎 歌舞伎の愉しみ」①
話し言葉を文章にしているので、「七代目中村芝翫」のルビが「いまのかみやちょうのおじさん」となっているのが面白い。
まず、昔の人情長屋暮らしの、江戸ならではの風情ある世話物を、現代人が理解できるだろうか?というディープな話から。 長屋では家主さんの意見が絶対だから、ご機嫌を損ねてしまうと家を追い出されてしまうので、例えば上総無宿の髪結新三は行き場がなくなってしまうんだよ、とか…。
確かに時代背景が理解できないと、歌舞伎を楽しむのは難しいでしょうね。
学生向けの歌舞伎鑑賞教室は客席からの反応が薄くてやりにくい、ていうくだり、まさに歌舞伎鑑賞教室で三津五郎さんの演目を鑑賞させていただいた身としては、すみませんでした…という気分に(^_^;)
また踊りの名手ならではのエピソードや、さらに城マニアとしても著書をお出しの三津五郎さんの視点で日本の歴史も知っておくことの重要性を説いておられます。
確かに、ああこの話はいついつの誰それの実話をもとにねられた脚本なのか~、とか、主人公は○○という名前だけどこれってあの●●をもじっているようだな、とか…
下地にある程度の知識があったほうが、より歌舞伎を立体的に楽しめると思う。
そう考えると、歌舞伎の奥は、かなり深いですよ。
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