「坂東三津五郎 歌舞伎の愉しみ」②
読めば読むほど、歌舞伎の奥深さが垣間見れます。
荒事は、頭を空っぽにして、怒りのみみなぎらせて表現しなくては見栄えがしないとか、演目次第では踊りも上手すぎてもいけない…などなど。
踊りの名手、師範クラスの役者さんにとっては、上手くなく見せるのって相当難しいと思います(^_^;)
それにしても、
同じ演目でも様々な型がある。
同じ歴史を扱うにも、脚本家によっての味がある。
ある程度の予備知識なしにぶっつけで見るより、下地があってさらに歌舞伎の楽しみは深まるのだなぁと感じます。
古い演目を復活させるにしても、前回のものが映像で記録されていなければ、音声や資料を頼りにやるしかない。踊りなら、ほぼ新作並みの創造に…。
歌舞伎役者さんも、ただ演じているだけでない、いちクリエイターであられる。
そして、スタンダードなものを大切にしつつ、異端な作品にもチャレンジする。
凄いことだと思います。
「古いものを残すのは、その専門家がやっていればいいことで、自分には関係ない。見に行けばいいというのでは、寂しい。お客さまご自身も時には、着物を着てください。あなたの隣りのお家の樹も大事にしてくださいと、ぼくはお願いしたいと思います。」
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