「坂東三津五郎 歌舞伎の愉しみ」③

噛みしめるように読んだので、通常より時間がかかってしまったのですが、ようやく読了。

しかし、歌舞伎の世界は大変です。
お師匠さんに稽古してもらうのは、教科書を読んで設問を解くのとは訳が違います。
動きや台詞回しを、見て聞いて感じ取り、さらに自分のものにして、本番の舞台で自然にできるようにしなければならない。

歌舞伎の家系についても触れていましたが、今どき世襲制なんて、と言われても、若旦那の役なら佇まいでそれとわかるような、生まれつきのものもなくてはいけないから、あながち否定することでもない、とのこと。

衣装についても、本絹で、細やかな刺繍が施されているから高い高い。でも、白粉はつくわ汗でぐちゃぐちゃだわ、舞台の埃で真っ黒になるわで、25日の興行が終わればかなり消耗されてしまうのだとか。
だから歌舞伎のチケットが高いのは仕方ないんです(笑)と。

勘三郎さんとのエピソードもありましたが、つくづく
これから円熟期に入ろうというときに亡くなられて、残念な気分です…。

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